包む – 日本の伝統パッケージ 展覧会 @目黒区美術館

こんにちは、アート・コミュニケータのRicaです。

美術館や建築、パブリックアートのたのしみをご紹介しています。

今日は東京都にある目黒区美術館で2021年7月13日〜9月5日まで開催されている「包むー日本の伝統パッケージ」をご紹介します。

1900年代にアートディレクターとして活躍した岡秀行さん(1905-1995)が収集していた日本の伝統パッケージを展示しています。

展覧会は「木 Wood」「竹 Bamboo」「笹その他 Bamboo grass & Others」「土 Soil」「藁 Straw」「紙 Paper」「伝統の美」「生活の美」「岡秀行コーナー」の9章構成になっています。

展示の要所に描かれた言葉が印象的でした。(以下ペンの囲み中に記します)

目次

木 Wood

木の皮、幹、葉などの自然素材をそのまま生かしたものや菓子や食品を容れものが展示されています。

伝統パッケージを固有の存在にしているものは思うに日本人特有の価値観、自然観ではないだろうか

竹 Bamboo 笹 その他 Bamboo grass & Others

竹筒、竹皮、竹かごを使ったパッケージが展示されています。

今でも羊羹(ようかん)や寿司の包みで竹皮を見ることがあります。竹皮は通気性、保水性に優れ、消臭効果と抗菌作用もあり丈夫という特性があり昔から重宝されてきました。(写真はイメージ)

笹は竹皮に用途が似ていますが、笹団子やのぼりあゆなどお菓子のパッケージにも使われていますね。

(写真はイメージ)

この章ではよしずや貝殻など自然素材のパッケージとお弁当や駅弁の容れものも展示されています。

何世代にもわたる無名の人々が磨きあげてきた美意識がある

土 Soil 藁 Straw

「土」は主に陶器です。酒の瓶や食品の容器があります。

それぞれのマテリアルの持ち味を的確にとらえ、それをできる限り損なわないように利用していること、ここらあたりに日本人独特の生活態度が表れているのではないだろうか

「藁(わら)」は稲藁を包装に用いたものを展示しています。代表的なものは酒樽のパッケージです。

日本人はどんなに美しいものを創造してきたか

紙 Paper

「紙」はお菓子の箱、袋、包みなどです。

浄と不浄という伝統的な価値と反価値の論理が伝統パッケージでは今なお確かに息づいている

こうやって並べるとたくさんの箱がありますね。

さりげなさと共にデザイン的な奔放さ、大胆さもまた見逃すことができない伝統パッケージの一つである。

伝統の美

「結納目録」を中心にハレの行事等の中に見られる日本独自の造形美の世界です。

現代の都市部では省略されることの多い結納ですが、行事の中にはいつも包みがありました。

生活の美

パンフレットのメインビジュアルにもなっている「卵つと」を中心に、生活の知恵から生み出されてきた造形美の世界です。

これほど美しくこれほど心を動かすものが、かつて日常生活にあふれていたのは驚くべきことである

岡秀行 コーナー

今回展示された日本の伝統パッケージは、1988年に岡秀行さんが目黒区美術館に寄贈したコレクションを展示しています。

遡ること1964年、白木屋(現在の東急百貨店)で「日本の伝統パッケージ展」が開催されました。その後も岡秀行さんは、写真集や展示を通して、経済成長期の日本において、なくなりつつある技術や造形美があることを知らせる活動を続毛ました。

1988年に目黒区美術館で展覧会を開催したことをきっかけに、同館は岡秀行さんから譲り受け「包むコレクション」として収蔵しています。

映像コーナーでは「卵つと」の制作風景が収録された映像『包 日本の伝統包装. [Japanesque 日本が見える] 』が放映されています。35分とやや長い映像ですが、ぜひご覧ください。きっと感動します。

デザインは生活環境を美しくするもの、心の充足をもたらすというデザイン本来の使命

今回の『包む – 日本の伝統パッケージ』は身近な日本の伝統パッケージというテーマの展覧会でした。

日本には素晴らしい「包む」伝統があったことがわかりましたが、このような用の美の感覚が私たち日本人の心の中にあることを意識することができて、少し誇らしい気持ちになりました。

岡秀行氏:1905年福岡県に生まれ。関東大震災の直後に上京し、図案家門屋秀雄に図案を学ぶ。1935年図案、写真撮影を併せて行う「オカ・スタジオ」を創設。民家、民具など日本の風土や生活に根ざしたデザインに興味を抱き同35年に米国ニューヨーク近代美術館で開催される国際パッケージ展に出品を依頼されて以降、日本の伝統的な「包む」造形に注目して収集を始める。1964年に「日本伝統パッケージ展」を提案して日本橋白木屋で開催。わら、和紙、竹皮などによる様々な包装を展示し、モダニズム全盛時代にあって、異色の展観として識者の関心を引いた。同展の出品作品を写真撮影して同40年に刊行した『日本の伝統パッケージ』(美術出版社)は、国際的な注目を浴び、英語、ドイツ語、フランス語に訳されて各国で刊行された。同書がきっかけとなり、同50年ニューヨークのジャパン・ハウス・ギャラリーで「包む-日本の伝統パッケージ」展が開催され、同展は28か国、99回の展示を重ね、各地で高い関心を呼んだ。包む造形に表れた風土、環境、人々の心を紹介することに尽力し、他に『包 TSUTSUMU』(毎日新聞社 昭和47 年)、『こころの造形』 (美術出版社 同49年)を著すとともに、同63年目黒区美術館での「日本の伝統パッケージ展」開催に寄与した。(引用:日本美術年鑑)

目黒区美術館『包む – 日本の伝統パッケージ』展

会期:2021年7月13日(火)〜9月5日(日)

時間:10:00〜18:00、月曜休館

チケット:一般 800円、大高生・65歳以上 600円、中学生以下は無料

目黒区美術館について   

  • 所在地:東京都目黒区目黒2-4-36
  • 交通:JR・地下鉄目黒駅・徒歩10分、渋谷駅より東急バス・五反田行き、または大井町行きで「田道(デンドウ)小学校入り口」下車徒歩3分 ← 真夏はこのバスがおすすめです。
  • ロッカー:あり:コイン戻り式 ¥100(¥100コインお持ちください)
  • 写真撮影:各エリアの入り口からのみ可能
  • 休館日はウェブサイトのカレンダーでご確認下さい。

目黒区美術館WEBサイト https://mmat.jp/

目黒区美術館『包む – 日本の伝統パッケージ』展

会期:2021年7月13日(火)〜9月5日(日)

時間:10:00〜18:00、月曜休館

チケット:一般 800円、大高生・65歳以上 600円、中学生以下は無料

目黒区美術館・周辺立ち寄りポイント

目黒区美術館からバスで渋谷に戻る場合ですが、バス停6つ渋谷寄り「菅刈小学校」で降りて徒歩3分ほどで「スターバックス リザーブ®ロースタリー東京」があります。(徒歩は約30分)

目黒駅に戻り、駅の反対側には東京都庭園美術館があります。徒歩20分ほどです。

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